彼との出会い⑦

彼と会えなくて、7ヶ月くらいが過ぎた頃に、彼は東北でストレスから、胃に穴が開き、緊急搬送、緊急手術をしました。

 

彼の家族は入院手続きだけして、翌日には帰宅したようでした。管に繋がれて、寝たきりの人をそのままにして置いていくんだと、彼の奥さんが彼を大切にしていないのが、状況だけでよく分かりました。

 

彼は命がけの仕事をしています。日本のブラックなんて甘いくらいの仕事量です。1ヶ月休みなしで、夜中まで働くこともあります。でも一切愚痴は言いません。言っても眠いくらい。それは絆ができた今もです。

 

奥さんの実家の仕事をしていれば、こんなに大変な思いをしなくてもいいのだろうと思うのですが、男としてそれは嫌みたいです。これも彼の顔を見ての推測ですが。

 

彼の一人の入院生活は3週間続きました。退院後、地元に帰っても自宅には戻らず、復職まで実家で、静養していました。奥さんから世話が出来ないから実家に帰って欲しいと言われたそうです。

 

そして復帰後、間もなくして、体調も戻っていない状態でまた地方の現場に戻っていました。

 

 

その間思うこともあり彼が退院しても結局会えず、

もういい!と思っいた時に、年下の男性と知り合う機会がありました。

 

家も近く、新しい人は仕事もそれほど忙しくなかったので、平日も仕事帰りに食事をして帰る日々でした。

とてもユーモアのある男性でした。バツイチで温泉やドライブが好きで、あちこち遊びに連れて行ってくれました。

 

遊びに行く時は、もちろん彼には内緒でしたが、もう会うのは諦めていたので、罪悪感も何もなかったです。もうこれでいいと思いました。

そう、もういい、もういいそんな気持ちでいました。

⑧へつづく。