彼の気持ちが手に取るようになる②

①の続きです。

 

彼の話しを要約して伝え返すと、彼はあなたから「大切にされた」「理解された」と感じます。自然に出来るようになるには、少し練習が必要なので、日頃から友達や家族にやってみて下さい。驚くほど人間関係が良くなりますよ。

 

これは相手の反応を観察すると、表情が一瞬面白いくらい変わります。キラッと輝く素敵な瞬間があります。人って心から理解してもらえると思うと、こんな表情になるんだぁと思いますし、それはみんな同じ目なんです。そしてその時聴いている側の自分に何が起こるかというと、「繋がるような一体感」を感じることが出来るのです。

 

心理学に「好意の反復性」がというものがあります。これは自分を良く思ってくれた相手に対して、相手にも同じように好意を返そうと思うのです。日常的にも好意を持ってくれる人には優しくしたり、仲良くなりたいと思いますよね。自分を理解してくれる相手には、それはそれは大切にしようと思いますね。

 

わたし達は赤ちゃんの頃は親や周りの人から無条件に大切にされました。誰よりも特別扱いされました。それがしつけが始まると、何をしても叱られるようになります。「ご飯は残さず綺麗に食べなさい」「いつまでも泣いてばかりいない」「静かにして!今忙しいの。話しは後で」大人ならそれも理解出来ますが、子供の頃はなぜこんなに怒られなければならないか、相手にしてもらえないかよく分からなかったことも多かったですね。

それが大人になってもなかなか人は自分を理解してくれようとはしてくれません。だってみんなが「自分を理解して欲しい。大切にして欲しい。」と心の底で不足感を感じていますから。

 

そう思うとわたし達は心を「大切にされた」「理解された」と思う経験ってそこまで多くないんです。相手の視点、解釈で理解してもらえたことはありますが、自分の価値観、観念や信念をありのまま理解してくれる人はなかなかいないのです。

 

どうしたら相手を理解出来るか?理解されたと思ってもらえるか?

 

それは相手の言葉を大切にすること。

 

例えば職場の同僚から「仕事が辛くて辞めたいと思うんだよね」と、打ち明けられたらどう返しますか?

 

この言葉を「会社辞めたいの?」と言い換えて伝えると、全く違う意味合いになるのです。人によって「仕事」と「会社」に含まれる意味がそれぞれあります。例えば

「仕事」=やりがい、生きがい

「会社」=所属している場所

 

仕事を、会社に変えてしまう、ここを間違うと相手は理解してもらっているとは、感じません。言葉にはならなくとも、何となく「そうじゃないんだけどな」って感じます。でも完全に間違っているとも言えないし、自分自信でも悩みの渦中に入り込んでいる時は、訳分からなくなって混乱しているので、自分が本当に辛いのか分からないのです。仕事そのものなのか、前に言われた上司の一言なのか、そこには多くの事柄が絡み合っています。

 

だから「うーん、まぁ、そうなんだよね」と言ってしまったり。もしここで「会社辞めたらどうやって食べて行くの?」なんて、このまま会話を続けると、話しがどんどん噛み合わなくなります。「あーもうこの人に言っても分かってもらえない、話したくないな」と思うことも。

 

相手の発した言葉を大切に、そのまま伝え返すことが重要なのです。ただそれだけでのことで、人は大切にされたと思えたり、理解してくれたと感じるのです。「ふわぁ〜っとした」や「ぐわーと」という擬音も大切に。その言葉に、心に感じたイメージが集約されているのです。

 

この人は自分を理解してくれる相手と分かった時、どんどん自己開示が始まり、たくさん話してくれるようになります。信頼関係が築けるのです。

 

その後に大切なことはもうひとつ。その話してくれたことを、よく分からなくても自分の考えと違うと思っても一旦受け入れてること。決して頭から否定はしないこと。誰も否定する人に心は開きませんよね。

 

信頼関係を築くことは難しいですが、信頼関係が壊れる、なくなるのは一瞬のことなんですね。人間関係は生き物と考えるといいです。常に動いている、育てるものと思うとまた違って来ます。

 

またもう少し違った視点からも書きたいと思います。長くなりましたが、最後まで読んで下さいましてありがとうございます(^-^)もね